Primal Mountain
濱田祐史
¥4,000 (+tax)
濱田の代表作のひとつである「Primal Mountain」は、一見すると山の風景写真のように見えますが、実は私たちの身近にある素材で作られた「山」であることに気付きます。「真実と虚」「見えるものと見えないもの」という自身のテーマと、震災の体験が繋がっていく中、ある日友人から山の写真のポストカードが届きます。濱田は、そこに写る美しさとともにある嘘っぽさに、これらの「山」は果たして本当の山なのか、という疑問を抱き、「Primal Mountain」の撮影を始めました。目の前に見えている山を、私たちは一体何をもって山だと認識するのでしょうか。ここでは”作られた”ランドスケープを、私たちの脳がつい風景だととらえてしまうことさえ、心地いい経験となっていくのです。
本作は袋とじのような綴じ方を採用し、ページの裏側に、写真の拡大図を印刷しており、横から裏側のイメージを覗くことができます。綴じを“山”と”谷”に見立て、「見えるものと見えないもの」を一冊の中で体現した仕掛けで、ページをめくる行為を通して、リアルとファンタジーの間を軽やかにたゆたい、「見ること」とは何かを問いかけます。巻末には濱田自身がその思想に影響を受けたという、松岡正剛による寄稿を収録しています。
*発売に合わせてオリジナルプリント付きのスペシャルエディション2種も販売中です。
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これらは「もどき」と「らしさ」のヴィスタの提示なのである。ー松岡正剛
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仕様:212 x 289mm/ソフトカバー/112P
執筆:松岡正剛
デザイン:田中義久
言語:日本語/英語
定価:4,000円+税
発行:torch press
ISBN:978-4-907562-19-9 C0072
発行年:2019
濱田祐史(Yuji Hamada)
1979 年大阪府生まれ。2003年日本大学芸術学部写真学科卒業。写真の原理に基づき概念を構築し、ユニークな技法で常に新しい試みを行う。 写真集『photograph』が Paris Photo/Aperture First Photobook Award 2014にノミネートされるなど、東京を拠点に活動し国内外で作品発表をしている。主な個展に「写真における色のシリーズ」の三作「 K 」「R G B」「C/M/Y」(PGI、東京)、「photograph」「Primal Mountain」(GALLERIE f5.6、ミュンヘン)がある。主な展示にスイスのFestival Images(2014年)、フランスのAix en Province Photo Festival(2015年)など。写真集に『C/M/Y』(Fw:books)、『BRANCH』(lemon books)がある。